街中で見かける機会が増えた、レクサスの高級ミニバン「LM」そっくりの顔つきをしたトヨタ「アルファード」。通称**「LM仕様」と呼ばれるこのカスタムは、一部のオーナーの間で人気を集めています。しかしその一方で、「アルファードのLM仕様って、正直ダサくない?**」という辛辣な声も少なくありません。
この記事では、なぜアルファードのLM仕様が「ダサい」と言われてしまうのか、その理由を深掘りします。LM仕様カスタムの具体的な内容から、本物のレクサスLMや標準のアルファードとの違い、そしてカスタムのメリット・デメリット、注意点まで、あらゆる角度から徹底解説。LM仕様に興味がある方、カスタムを検討中の方、そしてこの現象について知りたい自動車ファンに向けて、客観的で詳細な情報をお届けします。
そもそも「アルファード LM仕様」とは?カスタム内容を解説
「アルファード LM仕様」とは、主にトヨタ・アルファード(特に30系後期モデル)の外装パーツを、レクサスLMの純正部品や社外品(レプリカパーツ)に交換し、見た目をLMに似せるカスタム手法のことです。あくまで外観の変更がメインであり、車の基本的な性能や内装が変わるわけではありません。
主な交換パーツ
LM仕様へのカスタムで交換される代表的なパーツは以下の通りです。
- フロント: グリル一体型バンパー、ボンネット、ヘッドライト(LM化には3眼LEDヘッドライト装着のSCパッケージ等がベース車両として推奨されることが多い)、フェンダーライナーなど。
- リア: バンパー、テールランプ(特徴的な一文字デザインを含む)、リアガーニッシュなど。
- サイド: サイドステップ(サイドスカート)。
- その他オプション: レクサスエンブレム、ホイール、ステアリングホイールなどを交換し、よりLMに近づけるケースもあります。中には、スライドドアまで交換する徹底したカスタム例も見られます。
ベース車両の条件
多くの場合、**30系アルファードの特定グレード(例:SCパッケージ)**がベース車両として選ばれます。これはヘッドライトなどのパーツ互換性によるものです。30系の前期モデルをベースにする場合は、後期仕様へのフェイスリフトを先に行うこともあります。
内装や性能はアルファードのまま
重要な点として、通常のLM仕様カスタムでは、アルファード本来の内装、シート構成(7人乗りまたは8人乗り)、エンジン、サスペンション、乗り心地などは基本的に変更されません。あくまで**「LMの見た目をしたアルファード」**であり、中身はベース車両のアルファードそのものです。
この外観のみの変更という点が、後述する「ダサい」という評価の一因にも繋がっていきます。なぜなら、本物のLMが持つプラットフォームのチューニング、静粛性の向上、独自のインテリア空間(4人乗り仕様やパーティションなど)、パワートレインといった本質的な要素は再現されていないからです。
なぜ「ダサい」と言われるのか?その理由を深掘り
アルファードLM仕様が一部で「ダサい」と評される背景には、いくつかの理由が考えられます。
理由1:本家レクサスLMのデザイン自体への賛否
そもそも、カスタムの元ネタであるレクサスLMのデザイン自体が、すべての人に受け入れられているわけではありません。
- スピンドルボディ/グリルの評価: レクサスの象徴であるスピンドル形状(LMではボディと一体化したスピンドルボディ)は、迫力がある一方で、一部からは「威圧的すぎる」「グロテスク」「集合体恐怖症にはキツイ」といった否定的な意見もあります。
- 全体のフォルム: アルファード/ヴェルファイアをベースにしているものの、無理に膨らませたようなフォルムが**「フグっぽい」**と揶揄されることもあります。
- デザインの完成度: スピンドルボディの処理が「グリルの上部が欠けた台形に見え、赤ん坊のよだれかけのようだ」と評されたり、デザイン全体としてベースのアルファード/ヴェルファイアの方が優れているという意見も見られます。
元々のLMのデザインに疑問を持つ人からすれば、それを模倣したLM仕様も肯定的に見られないのは自然な流れかもしれません。
理由2:「偽物」「模倣品」という見方
これが「ダサい」と言われる最も大きな理由の一つでしょう。
- オリジナリティの欠如: より高価なレクサスブランドのモデルに似せる行為は、オリジナリティがなく、ブランドイメージに便乗している**「コピー商品」**のようだ、と捉えられがちです。
- 「頑張ってる感」と見栄: 「本物のレクサスLMは買えないけれど、それっぽく見せたい」という心理が透けて見えると感じる人もおり、それが**「貧乏臭い」「痛々しい」**といった印象に繋がる場合があります。
- 本物志向からの批判: 「レクサスが欲しければレクサスを、上位グレードが欲しければ上位グレードを買うべき」という考え方から、パーツ交換による見た目だけの模倣は本質的ではない、という批判です。
理由3:オーナーイメージやステレオタイプ
車のイメージは、時にそのオーナー層と結びつけて語られます。
- 特定の層との関連付け: 本物のLMは富裕層や企業の役員向けショーファードリブンカーとして認識されていますが、LM仕様(特に比較的安価に再現可能な旧型LM350hベースの仕様)については、**「DQN(ヤンチャな若者などを指す俗語)でも乗れる」**といった見方をする声もあります。
- カスタム=ヤンキー文化?: 大胆なカスタムという行為自体が、一部でヤンキー文化と結び付けられることがあります。ただし、LM仕様のカスタム費用(約300万円)やLM自体の価格帯を考えると、典型的なヤンキー層が手を出すものではない、という反論もあります。それでも、派手な外観からそのようなイメージを持つ人がいる可能性は否定できません。
- 自己顕示欲への反感: 過度な自己主張と捉えられ、否定的に見られることもあります。
理由4:カスタムの完成度と社外品パーツの問題
カスタムの質も、印象を左右する重要な要素です。
- 粗悪な仕上がり: 取り付け精度が低い、塗装の質が悪いなど、カスタムの完成度が低い場合、安っぽく見えてしまい「ダサい」印象を強めます。
- 偽物・社外品パーツのリスク: LM仕様へのカスタム需要を背景に、品質の低い社外品(レプリカ)パーツが出回っています。これらのパーツは、センサー類の誤作動(クルーズコントロールやパーキングセンサーのエラー)、ヘッドライトの早期曇り、保安基準不適合(シーケンシャルウインカーのズレなど)といった問題を引き起こす可能性があり、車の見た目だけでなく機能性や安全性にも影響を与えかねません。
このように、「ダサい」という評価は、単一の理由ではなく、元々のデザインへの評価、模倣行為への嫌悪感、オーナー像への偏見、そしてカスタムの質といった複数の要因が絡み合って形成されていると考えられます。
アルファードLM仕様 vs レクサスLM vs 標準アルファード:違いを比較
では、アルファードLM仕様は、本物のレクサスLMや、ベースとなっている標準のアルファードと具体的に何が違うのでしょうか?それぞれの特徴を比較してみましょう。
根本的なコンセプトの違い
- レクサスLM: 「ラグジュアリームーバー」として、運転手付きで後席に乗ることを主眼に置いたショーファードリブンカー。プラットフォームから専用チューニングが施され、静粛性や乗り心地、後席の快適性を極限まで追求。
- 標準アルファード: トヨタブランドの最上級ミニバン。**「大空間高級サルーン」**として、家族やゲストをもてなす快適な移動空間を提供。実用性と高級感を両立。
- アルファードLM仕様: あくまでアルファードがベース。LMの外観を模倣しつつ、中身(コンセプト、性能、内装)はアルファードのまま。
外観デザインとサイズ
- LM: レクサスのデザイン言語**「スピンドルボディ」**を採用。独自のヘッドライト/テールランプ形状。アルファードより一回り大きいサイズ(全長+130mm, 全幅+40mm, 全高+20mm ※新型比較)。「見られる」ことを意識した、威厳とエレガンスを表現するデザイン。
- アルファード: 押し出し感の強い大型フロントグリルが特徴。トヨタ車としての力強さ、存在感を主張。日本の駐車環境にも配慮したサイズ設定。
- LM仕様: LMのフロント/リアデザインを移植するが、ボディ骨格や基本的なサイズはアルファードと同じ。カスタムの質によって、パーツの収まりや全体の印象は変わる。
内装の豪華さと機能
- LM: 特に4人乗り仕様は別格。前席と後席を仕切る昇降式パーティション、48インチ大型ディスプレイ、冷蔵庫、マッサージ機能付き電動オットマンシートなど、後席乗員のための最高級装備を満載。素材も最高級。静粛性も徹底的に追求。6人乗り仕様もアルファードとは異なるシートレイアウト。
- アルファード: エグゼクティブラウンジ等の上位グレードは非常に豪華。シート機能もLMに近いものがあるが、素材や細部の作り込み、パーティションの有無などで差別化。7人乗りが基本で、全席での快適性を重視。LMほどの静粛性ではない。
- LM仕様: ベース車両のアルファードの内装がそのまま残る。シート数や装備は変わらない。
プラットフォーム、パワートレイン、走行性能
- LM: アルファードと共通のGA-Kプラットフォームだが、ボディ剛性の向上やサスペンションの専用チューニング(AVS採用グレードも)により、レクサス基準の乗り心地と静粛性を実現。2.4Lターボハイブリッド+DIRECT4(AWD)など、パワフルでスムーズなパワートレインを設定。車両重量はアルファードより重い。
- アルファード: 同じくGA-Kプラットフォームだが、乗り心地と実用性のバランスを重視したチューニング。2.5Lハイブリッド+E-Four(電気式4WD)など、燃費と快適性を両立するパワートレインが中心。LMほどの高度なサスペンション制御はない場合が多い。
- LM仕様: エンジン、ミッション、サスペンション、駆動方式など、走行に関わる部分はベースのアルファードと全く同じ。
先進技術・安全装備
- LM/アルファード: 最新の予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」/「Toyota Safety Sense」や、高度運転支援技術「Lexus Teammate」/「Toyota Teammate」を搭載する点は共通しているが、LMにはドライバーモニター連携など一部専用機能が追加されている場合がある。
- LM仕様: ベース車両の安全装備・運転支援システムがそのまま機能するが、社外品のセンサーやカメラを使用した場合、正常に作動しないリスクがある。
価格
- LM: 新車価格は約2000万円(LM500h EXECUTIVE)。
- アルファード: 新車価格は約540万円~約872万円(2023年モデル)。
- LM仕様: ベースとなるアルファードの車両価格に加え、LM化のカスタム費用が別途必要。専門ショップでの施工費用目安は約300万円。
これらの違いをまとめたのが以下の表です。
表3.1: アルファード・アルファードLM仕様・レクサスLM 主な違い
| 特徴 | 標準アルファード (例: エグゼクティブラウンジ) | アルファード LM仕様 | レクサスLM (例: LM500h EXECUTIVE) |
| ベース車両 | トヨタ アルファード | トヨタ アルファード (主に30系SC等) | レクサス LM (プラットフォーム共有、専用設計) |
| 主な変更点 | メーカー標準仕様 | 外装パーツ交換 (前後バンパー、ライト等) | 専用ボディパネル、レクサス基準の設計 |
| 内装の主眼 | 全席での高い快適性 | ベース車両の内装そのまま | 後席乗員の最高級な快適性 (特に4座) |
| シート構成 | 7人乗り (3列) | ベース車両と同じ (7人乗り) | 4人乗り (2列、パーティション付) or 6人乗り (3列) |
| プラットフォーム/駆動系 | GA-K (トヨタチューン), HEV E-Four等 | ベース車両と同じ | GA-K (レクサスチューン、剛性向上), 2.4T HEV DIRECT4等 |
| 基本コンセプト | 高級ファミリー/エグゼクティブミニバン | LMの外観を持つアルファード | ショーファードリブン・ラグジュアリームーバー |
| 新車価格帯 (目安) | 約540万円~872万円 | ベース車両価格 + 約300万円 (カスタム費) | 約2000万円~ |
この比較からも、LM仕様はあくまで**「見た目」のカスタムであり、本物のLMが提供する価値とは本質的に異なる**ことがわかります。
「ダサい」だけじゃない?アルファードLM化のメリットと魅力
批判的な意見がある一方で、アルファードのLM仕様カスタムが人気を集めているのには、相応の理由と魅力があるからです。
- 憧れのLMルックを手に入れる: 最大の魅力は、やはりレクサスLMの持つ独特で高級感あふれるスタイリングを手に入れられる点です。数多く走るアルファード/ヴェルファイアの中で、圧倒的な差別化を図ることができます。
- コストパフォーマンス(相対的): カスタム費用は約300万円と高額ですが、2000万円を超える本物のLMを購入することに比べれば、はるかに少ない投資で**「LMの見た目」を実現**できます。
- 人気のカスタムトレンド: アルファード/ヴェルファイアのカスタムシーンにおいて、LM化は確立された人気のメニューです。専門に行うショップも存在し、トレンドに乗る楽しさもあります。
- 主観的な「かっこよさ」: 「ダサい」という意見がある一方で、LM仕様のルックスを純粋に**「かっこいい」「迫力がある」**と感じる人も多くいます。美的感覚は人それぞれであり、完成度の高いカスタムは見る人を魅了します。
- アルファードの実用性は維持: 外観は変わっても、慣れ親しんだアルファードの運転感覚や、7人乗りといった実用性はそのまま維持されます。LMのスタイルは欲しいけれど、アルファードの利便性は手放したくない、というニーズに応えます。
- リセールバリューへの影響: LM仕様カスタムの人気が、ベース車両として使われることが多いアルファード・エグゼクティブラウンジなど、特定グレードの中古車相場やリセールバリューを押し上げる一因になっている可能性も指摘されています。
- 個性の表現・自己満足: 結局のところ、カスタムはオーナーの**「自己満足の世界」**でもあります。自身のこだわりや好みを反映させ、愛車を個性的に仕上げることに喜びを感じるオーナーにとっては、魅力的な選択肢となり得ます。
このように、LM仕様カスタムに対する評価は一様ではありません。「ダサい」と感じる人がいる一方で、その見た目やステータス性、トレンド感に魅力を感じ、費用を投じるオーナーも確実に存在します。どちらの意見も、それぞれの価値観に基づいたものと言えるでしょう。
アルファードLM仕様を検討する際の注意点
もしアルファードのLM仕様カスタムを検討する場合、いくつか注意すべき点があります。
- 高額な費用: ベース車両とは別に、約300万円程度のカスタム費用がかかります。部品代だけでも100万円を超えるケースもあり、決して安価なカスタムではありません。
- 部品の入手: 日本国内では正規販売されていなかった旧型LM(LM350h)の純正部品は、国内での入手が困難です。専門ショップを通じて海外から輸入する必要があり、時間もかかります。
- 偽物・社外品パーツのリスク: 最大の注意点が、品質の低い偽物や社外品(レプリカ)パーツの存在です。これらは安価な場合がありますが、以下のようなリスクを伴います。
- センサー類の不具合: クルーズコントロールやパーキングセンサーが正常に機能しなくなる。
- 灯火類の不具合: ヘッドライト内部が曇る、シーケンシャルウインカーの点滅タイミングが左右でずれる(保安基準不適合の可能性)。
- フィッティング不良: 見た目が悪くなるだけでなく、耐久性にも問題が出る可能性がある。
- 見分け方: 純正品にあるはずの「LEXUS」刻印がない、仕上がりが粗い、価格が異常に安い、などが判断材料になりますが、巧妙な偽物も存在するため注意が必要です。
- 信頼できる施工ショップ選び: 高額な費用と専門的な作業が必要なため、LM仕様カスタムの実績が豊富で、信頼できるショップを選ぶことが極めて重要です。純正部品の使用や、社外品を使う場合のリスク説明などをしっかり行ってくれるか確認しましょう。AIMGAIN、ピットワン、K’s STYLE、ユニバーサルなど、LM仕様を手掛けるショップの情報も参考にしましょう。
- 保証や保険への影響: 大規模な外装変更は、車両メーカーの保証対象外となる可能性があります。また、車両価値の変動に伴い、自動車保険の契約内容や保険料に影響が出る可能性も考慮すべきです(一般論)。
- 車検(保安基準適合): カスタムした車両が日本の保安基準に適合している必要があります。特に灯火類(ヘッドライトの光軸、ウインカーの点滅方式やタイミング、色など)や、最低地上高、リフレクター(反射板)の有無などが車検でチェックされます。LM仕様化によって基準を満たさなくなる場合があり、車検時に純正部品に戻したり、対策部品を取り付ける必要が出てくるケースもあります。実際に、LM仕様のテールランプ中央部が点灯しないようにしたり、後付けの反射板を用意して車検に臨んだ事例も報告されています。
これらのリスクを理解せず安易にカスタムを行うと、「かっこよくなるはずが、トラブル続きで結局高くついた」「車検に通らず困った」といった事態になりかねません。初期費用だけでなく、部品の品質や法規適合性といった、見えにくいコストやリスクも十分に考慮する必要があります。
まとめ:アルファードLM仕様は本当にダサいのか?
アルファードのLM仕様が「ダサい」と言われる理由は、本家LMのデザイン自体への賛否、高価なモデルを模倣することへの抵抗感、「偽物」感、オーナー層への偏見、そして粗悪なカスタムの存在など、複合的な要因に基づいています。
一方で、LM仕様はあくまでアルファードをベースとした外観カスタムであり、本物のレクサスLMが持つ思想や乗り味、後席の超豪華装備とは全くの別物です。しかし、その圧倒的な存在感を持つLMのスタイリングを、本物よりはるかに現実的なコストで手に入れられる点や、アルファードの実用性を維持できる点に魅力を感じ、多くのオーナーがこのカスタムを選択しているのも事実です。
結局のところ、「アルファードLM仕様がダサいかどうか」は、個人の価値観や美意識に大きく左右される問題です。見た目のインパクトやステータス性を重視する人にとっては「かっこいい」カスタムであり、オリジナリティや本質、あるいは控えめなスタイルを好む人にとっては「ダサい」と感じられるのでしょう。
もしLM仕様カスタムを検討するなら、その是非を問う声があることを認識した上で、高額な費用、部品入手の難しさ、偽物パーツのリスク、そして車検などの法規適合性といった現実的な問題を十分に理解し、信頼できるショップに相談することが不可欠です。自身の価値観と照らし合わせ、メリット・デメリットを慎重に比較検討し、後悔のない選択をすることが重要と言えるでしょう。場合によっては、標準のアルファード/ヴェルファイアの上級グレードや、予算が許せば本物のレクサスLMといった選択肢も視野に入れるのが賢明かもしれません。
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